Digimapについての記事
なぜ今、Internnectは「Digimap」を自社開発したのか?
こんにちは。Internnectで経営企画と事業開発を担当している松井です。
今回、自社プロダクトとして正式に展開を開始した「Digimap」について、
なぜこのタイミングで、なぜ受託やアライアンスではなく“自社開発”という選択をしたのか。
本稿では、個人的な思いではなく、
事業判断・市場構造・Internnectの組織アセットという観点から整理してお伝えします。
施設内ナビゲーションという、見過ごされ続けてきた課題
展示会、商業施設、公共施設、イベント会場。
こうしたリアル空間に共通する課題は、驚くほど長年変わっていません。
・案内図が分かりづらい
・情報更新が追いつかない
・人手での案内に依存している
・来場者の回遊データが残らない
これはUXの問題であると同時に、
運営側にとっては「改善余地が見えているのに、手が付けられていない非効率領域」でした。
特に展示会や期間限定イベントでは、
毎回レイアウトが変わるにもかかわらず、
案内手段は紙・PDF・静的サイネージに留まっているケースが大半です。
この「更新できない導線」こそが、
来場者の満足度・回遊率・出展価値者を静かに犯している。

なぜInternnectがやるのか──市場構造の隙間
屋内ナビゲーション市場自体は、決して小さくありません。
国内外で成長が見込まれ、技術的な前提条件も揃っています。
一方で、事業として見た場合、明確な構造的問題が存在します。
・大手IT企業にとっては単価が小さく、個別対応が多すぎる
・国内スタートアップにとっては初期開発・運用コストが重い
・現場ごとの要件差が大きく、SaaS化が難しい
結果として、「ニーズはあるが、誰も本気で取りにいかない」
中間領域が放置されてきました。
Internnectは、日本側で現場要件を深く理解し、
ベトナム拠点(DIGITRAN)で開発・改善を高速に回せる体制を持っています。
この二層構造があって初めて、
“現場適応力”と“プロダクト継続性”を両立できる。
Digimapは、この前提条件が揃ったタイミングでのみ成立する事業でした。
3ヶ月で形にした理由
Digimapの初期プロトタイプは、構想から約3ヶ月で完成しています。
これはスピードを誇示したいわけではありません。
重要なのは、「完璧な仕様」よりも
「現場で使われ、改善される状態」に最短で持ち込む判断をしたことです。
Figmaでの設計、最小構成での実装、
日本側での即時フィードバックと改修。
この往復を高速で回すことで、
机上の空論ではない、実装前提のプロダクトとして磨き込みました。
なぜ日本で展開したのか
Digimapは、海外開発プロダクトです。
それでも日本も市場に設定しました。
理由は単純で、
最も解像度の高い「困っている現場」が、すでに日本に存在していたからです。
・自治体イベントの運営担当者
・商業施設の管理会社
・展示会事務局
彼らが抱える制約条件、予算感、意思決定プロセスを理解した上でなければ、
このプロダクトは成立しません。
日本で実績を積み、価値を証明する。
その上で、他地域へ展開する。
この順序は、事業として合理的な判断でした。

Digimapが目指すもの
Digimapは、派手なDXツールではありません。
しかし、導線・回遊・情報更新という“現場の基礎構造”を確実に変えます。
さらに今後は、
・来場データの活用
・広告・スポンサー連動
・他システムとの連携
といった形で、
コストセンターだった「案内」を、
プロフィットセンターへ転換する余地を持っています。
私たちはDigimapを、
単なる地図ツールではなく、
リアル空間の価値を最大化するための基盤として育てていきます。

(文責:株式会社Internnect / 松井 英章 Hideaki Matsui)